はじまり Origine

縁を旅する。

全ては直感から始まった。瀬戸内海を初めて旅した時に直感で感じたもの。それは 「ここにはニッポンがある」 という感覚だった。そのニッポンとは、日本人として忘れかけたなにか。取り戻さなければならない伝統や精神。感性や芸術性。文化や環境。神話や魂のようなもの。それら一同が海に繋がっているような気がした。その感覚がどこから来るものなのか。なにを意味するものなのか。その真相を確かめてみたい。漠然とした直感が旅の出発点であった。

ぼくたちにとっての旅とは 「海と共に生きる」 ことであり、「島での暮らし」 そのものにあった。海を中心とした日々の暮らしの中に、取り戻さなくてはならない大切な 「なにか」 があるような気がした。それは、自分たちのルーツを辿る旅なのか。ニッポン人としての尺度を学び直す旅なのか。長い旅路の果てに答えが見つかるしれないし、見つけられないのかもしれない。でも、見つかっても見つからなくても、本当はどっちでもいいのだ。なぜなら、一生をかけて夢中になれるものを見つけられたこと。役割や使命のようなものに出会えたこと。それこそが求め続けたものであり、最高の喜びであり幸せなのだから。探し求めること旅なのであり、夢の中こそが楽しい人生なのだ。

社名の由来

"dream" は日本語で「夢」のことですが、英語の古い言葉の中には「生活をする」あるいは「旅をする」という意味もあります。これは、先住民族のアボリジニ(ab-origine)が代々語り継いできた「天地創造の神話」に由来するもので、彼らは人間が旅をした足跡にはエネルギーやスピリットが残ると信じ、旅することを「ドリーム」ないしは「ドリーミング」と呼びました。つまり、人生とは旅をすることであり、旅することが夢なのであり、夢こそが人生なのです。

一方 ”island” は日本語で「島」のことですが、英語訳的には「水に囲まれた土地」あるいは「孤立した場所」といった意味です。しかし、これは大陸側から島を見た場合の解釈で、島や海側から見た島は意味が逆になります。日本語の島の語源は「」(よすが)から来ている言葉で、「縁」は「えん」「ゆかり」「えにし」「ふち」とも呼びますが、いずれも人との繋がりを意味する言葉で、意味合い的には「寄せるところ」あるいは「身や心の拠りどころ」といった意味があります。つまり、海と密接に関わって来た島国の人(日本人)にとっての島とは、舟を寄せる「縁」(ふち)であり、身を寄せる「安住の地」(よすが)なのでありました。海を旅する時、島が見えると「ほっ」とした気持ちになりますが、それはきっと脈々と受け継がれてきた島人の血であり、海洋系民族の証しなのかもしれません。

というわけで、「島を旅する」 ということは 「『』(よすがを旅する」 ということでもあり、人と人との出会いや繋がりといった
「縁」(えん)を大切に生きることが、最終的には「縁」(よすが)に繋がる道なのかもしれないな。そんな想いを込めて 「縁を旅する」、「旅をする島」 で "dream island" です。もっとも、「夢を叶える島」 「夢が叶う島」 という秘かな希望も込めて・・・。

ロゴマーク

DREAMISLAND

会社を創業する時、島で偶然出会ったヨットマン(竹中工務店の重役さんだった)に教えて頂いた言葉があります。『自灯明』という言葉でした。この言葉はお釈迦様(仏陀)が病床で弟子たちに贈った最後の教えだそうです。「残されたわたしたちはこれからどうしたらいいのですか」と嘆く弟子たちに対して、お釈迦様はこう伝えたそうです。「迷った時は自らを信じ、自らが灯明のように光りを灯しなさい。みんなの足元を照らしてあげなさい。そうすればみんなが光りに集まってくるから。」創業とは道無き道を歩くようなもの。だから、道に迷った時は自らを信じて一歩を踏み出しなさい。その言葉がどれだけ励みになったかわかりません。というわけで ” i ” の上にある "★" は自らが灯明のような、あるいは灯台のような存在でありたい。そんな希望を込めてデザインしました。

10周年ロゴマーク

DREAMISLAND

ぼくたちはカヌーを使って飯を食べています。が、そもそも飯が食えるのは、海があり島があるおかげ。そして、海を伝えているのは、本当はぼくたちではなく、カヌーそのものです。ぼくたちは乗り方や漕ぎ方のヒントを伝えているだけ。つまり、海とカヌーがなければ、ぼくたちの仕事は成り立たない。 また、先代たちの教えに沿って云えば、「舟」は海を旅するための「陸」であり「よすが」 でもある。つまり、「島」というのは「カヌー」のことでもあるんです。かつて自らの力でカヌーを創り、勇気を持って大海原を渡った人たちがいて、今へと続く営みがある。そんな祖先たちへの挑戦に敬意を込め、勇気を持って新たな旅に挑戦したい。そんな決意を込めてカヌーをモチーフにしたロゴに一新。この舟に乗ってどこまでも旅を続けたいと思います。